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対決

映画館に着いて立ち尽くした。
なんだこのラインナップは! 選べない、全部観たい。
しばし近所の立ち飲みバーで一杯やりながら悩む。
大好きなウッディ・アレンの“カフェ・ソサエティ”も、“僕とカミンスキーの旅”も気になるが、
ここはひとつ映画オタク気取って製作者対決を楽しむこととした。

ブラッド・ピットの“ムーンライト”は切ない映画だった。
登場する男達のなんと優しく繊細なことか。
もうこれで男女のガサツな恋愛ものなんて観られないね。
“ラ・ラ・ランド”にアカデミー賞総ナメを許さなかったのはこの映画のせいだ。が、頷ける。

そしてマット・デイモンの“マンチェスターバイザシー”も切ない映画。
なんとも無気力でトラブルメーカーの主人公に好意を持てないでいると、
徐々に引き込まれてしまう優れた脚本と演技力。

どちらも制作費などかけなくてもA級映画を創れることを見せつけた。
決してハッピーエンドではないが、永久に残すべき名作。
引き分けとしたい。

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