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敦盛

京都で能を鑑賞させていただく機会を得た。
演目は「敦盛」。能楽師は杉浦豊彦氏、場所は河村能舞台

「敦盛」とは、かつて源氏の武将であった僧が、
元服早々で自分に討たれた平家の少年の亡霊に出会い云々という話。
衣装や面や音が何を意味しているのか洞察を試みるものの、
知らぬ間に舞と唄に引き込まれ、気がつけば涙が頬を伝う始末。
それにしてもなんと切ない話か…

まずはその圧倒的な声量と楽器の音量。
初めは狭いと感じた舞台に広大な風景が浮かび上がる。
時間も空間も超越した表現力と歴史の重さに、ただただ感動するしかなかった。
事前にパンフレットを作らせていただき、杉浦氏との歳の差は僅か2つと知っていたが、
この人間の大きさの違いは何だと、底の浅い自分の人生を恥じた。

現在、火男の能面を製作中であったが、
本物を見せられた後ではとてもじゃないが手が進まない。

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