飛騨松倉山絵馬市は毎年八月九日から十日にかけ夜を徹して行われる。
今年は平成最後の年号入の馬を買いに山を登った。
好みの絵馬を選んで御朱印を押してもらったらご祈祷を受ける。
神の前で深く頭を垂れ、美しくポーズをとる姿が版画で刷られている。
こちらは壇家となっている近くの寺から配られるもの。
いかにも日本らしい素朴な馬が見事な描写力で力強く描かれている。
もともとは自分の馬や牛を連れて参拝に行ったそうだが、
時代は移り簡略化されたのが絵馬だとか。
馬を飼う家もない今、写メで営業車を送信すると、ご祈祷メールが返ってくるなんてのもありじゃないか？
たとえば和尚が自慢げにハーレーダビッドソンの写真を配ってきたとしても…
伝統を守ると言うのは、なにも古くて面倒な事を続ける事ではない。
何はともあれ、幾重にも重ねて額装された二頭の馬を玄関に並べ、商売繁盛と家内安全を願う。