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つまらんものはつまらんと言おう

どうにも心の整理がつかず書けなかったが、ようやくその気になった。
かつて幾度か足を運びながら休館や工事で侵入を拒まれた、 竜安寺の石庭を観ることは長年の望みだった。
今年の夏、京都へ来てこれで三度目だと言う長男の案内でやってきた。
彼曰く「つまらん」と言う。「ものがわからんやつだ」と返した。
広い庭を歩き、期待に胸を膨らませ、ようやく目にした石庭。
世の中の醜い装飾を排除する事が使命だと豪語している自分にとって、ここは聖地だと思っていた。
たしかに虚飾を廃した究極の美ではあるが、同時に見える塀の外の風景とのミスマッチに違和感を覚えた。
あれほど外国人を魅了するという宇宙観とやらは、
禅宗の家に育った自分にとっては特に感動はなく、むしろ形式的で説教がましくさえ感じられた。
もう2016年だ、いつまでこんなものに縛られなきゃならんのか、とも。
いつのまにか心が荒んでしまったか…
修学旅行で来させられたのだろう、いわゆるお坊ちゃん学校らしき上品な制服の中学生が、
無頓着に走り回る姿に、むしろ心が和んだ。
だからみんな、自分が感じたまま胸を張って言おう、「つまらんものはつまらん」と。

IMG_4929  
この水は飲めません、のプレート。
もっと禅寺らしい粋な表現方法はないものか、残念。

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